遺言書とは?種類とその内容についての解説


遺言書は、故人が残せる相続人への意思です。

その思いが届くよう、遺言書について詳しく確認しておく必要があります。

作成をする前に、遺言書の種類や内容について確認しましょう。

遺言書とは?

遺言書とは、被相続人が生前に記した遺産相続への意思です。

遺言書と認められれば、法定相続よりも優先されることから重要な書類、遺言書があることによって、相続人同士のトラブルを防ぐこともできます。

遺言書にはいくつかの種類がありますが、全てに通じて言えることは、民法に定められた方式で作られていなければ無効になることです。

遺言書が無効となれば法定相続となり、故人の遺志は尊重されません。

そのため遺言書の作成は慎重に行う必要があります。

場合によっては、弁護士に相談するようにしましょう。

遺言書にはいくつかの種類があり、大きく分けると「普通方式」と「特別方式」に分類されます。

それでは、それぞれの内容の確認です。

普通方式の遺言書の種類

普通方式には、次の3種類があります。

自筆証書遺言

遺言者を、自分自身の直筆で作る遺言書のことを「自筆証書遺言」と呼んでいます。

別のところに預ける必要がないことから、3種類の中で最も手軽な遺言書、必要な内容は次の通りです。

  • 遺言者が自筆で書いた(2019年1月より財産目録についてはパソコンでも可能)
  • 遺言書の作成年月日の記載(作成日でない日にちが記載されていれば無効)
  • 遺言者の氏名の記載(署名がなければ無効)
  • 遺言者の印鑑(実印でなくても良いが、実印が望ましい)

上記の内容に沿っていても、無効になるケースがあります。

  • 2人以上で共同に書いた遺言書は無効
  • 相続する内容が不明確の場合は無効

自筆証書遺言とは、証人が不要で、被相続人が保管しておける遺言書です。

そのため遺言書の検認手続きが必要になります。

メリットは、費用がかからず周囲へ秘密に作成できること、デメリットに関しては、故人しか知らないことから、無効になるリスクを伴います。

そのほか、紛失や盗難のリスクも考えられることから、遺言書通りにことが運ばない可能性も否定できません。

公正証書遺言

遺言者が遺言を、公証役場で公証人に作成してもらった公文書を「公正証書遺言」と呼びます。

自筆証書遺言と違い、遺言者と公証人の2人で作成することから、内容に法的な間違いを伴う危険がありません。

遺言書の効力が確実に発揮できる、その点が3種類の中で一番優れています。

公正証書遺言は公正役場で保管され、検認手続きも不要です。

デメリットとしては、費用がかかること、遺言の内容を秘密にできないこと、作成に時間がかかることなどがあげられます。

秘密証書遺言

遺言者が遺言書を作成したあと、遺言書の押印に使用した同じ印鑑で封筒を封印し、公証人と証人の2名が封筒に署名押印したものを「秘密証書遺言」と呼びます。

自筆証書遺言と公正証書遺言の中間といったイメージです。

公証人から署名押印をしてもらった封筒は、自分で持ち帰り保管をします。

内容を確認してもらっていないことから、検認手続きが必要です。

メリットは、遺言書が本物と証明できること、公正証書遺言と違い遺言の内容を秘密にすることができます。

デメリットとしては、費用がかかること、遺言書を確認していないことから無効になるケースがあること、自分で保管するため紛失するリスクがあることです。

特別方式の遺言書の種類

特別方式の遺言書は、命の危険が伴う事態に遭遇し、緊急で作成するに至った遺言書です。

その種類は次の4種類があげられます。

  • 一般危急時遺言
  • 難船危急時遺言
  • 一般隔絶地遺言
  • 難船隔絶地遺言

すべてやむを得ない場合で書かれる遺言書です。

普通方式の遺言書とは異なる緊急的な作成方法になることを知っておいてください。

遺言書の作成は弁護士や専門家に相談する

遺言書を残すことは、後のトラブル発生を防ぐためにも必要なことです。

ただし、作成しても無効になれば意味がありません。

遺言書を作成するのならば、相続のプロである弁護士や専門家に相談をしてください。

無効となれば、要らぬトラブルを起こす原因になりかねません。

正しい遺言書を作成し、醜い争いを防ぎましょう。

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